過失と医療水準
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いずれの場合でも、賠償責任が認められるためには医療機関の「過失」が認められる必要があります。そして、医療というのが、患者の生命・身体に影響を直接及ぼすことから、医師が診療する際は、高度の注意義務が要求されます。このような、医師に要求される高度の注意義務の判断基準となるのが、「医療水準」です。 医療水準に満たなかった医療行為を行った場合や、医療水準に適合した医療行為を行わなかった場合、医師の過失が認められます。そのため、基準となる医療水準の内容が問題となりますが、これをめぐって多くの判例が出されました。
最高裁の判例上、医師の注意義務の判断基準となる医療水準は、「診療当時のいわゆる臨床医学の実践における医療水準」(「高山日赤未熟児網膜症事件」最判昭和57年3月30日判時1039号66頁)とされ、その「医療機関の性格、所在地域の医療環境の特性等の諸般の事情を考慮」して、その「医療機関に要求される医療水準であるかどうかを決する」ことになります(「姫路日赤未熟児網膜症事件判決」最判平成7年6月9日判時1537号3頁)。
もっとも、その医療機関に要求される医療水準であるかどうか具体的な判断は、法律のプロでも頭を悩ませるほど難しいもので、まして一般市民では理解するのはかなり困難といえます。そのため、医療訴訟を提起して、医療機関側の過失を争う際は、医療問題に精通した弁護士に相談することをおすすめします。
原洋司法律事務所は、札幌市を中心に、北海道全域の医療過誤をめぐるご相談をお待ちしています。
医療問題に対処するためには、専門的な知識が求められ、協力医などからのサポートが必要不可欠です。当事務所の弁護士は、医療問題に関して豊富な実績があります。